この記事は「鉛直面での円運動(糸、棒、壁)その1、その2」を読んだことを前提に書かれています。
[有名題3]
長さの糸に質量のをつけ、最下点で初速を与えて回すとき、が1回転するためのの条件を以下のように求めてみよう。
(1)半径方向のつり合いの式を求めよ。
(2)エネルギー保存の式を求めよ。
(3)(1)と(2)を連立させて、をの式で表せ。
(4)であってもとなるようなの条件を求めよ。
(5)が1回転する条件を求めよ。
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さっそく解いてみましょう。
(1)半径方向のつり合いの式を求めよ。
となります。ここでは、「平行線の同側内角の和がになること」から出しています。変形して
←ですからね
(2)エネルギー保存の式を求めよ。
位置エネルギーを書き表さないといけないですよね。高低差を調べるために、一度外から見た系で図をスケッチしましょう。
これがエネルギー保存の式となります。図さえ書いてしまえば…というところでしょうか。なお、がを超えているので、図と符号の一致に注意してください。
(3)(1)と(2)を連立させて、をの式で表せ。
がによってどう変化するか調べてみましょう。(2)の結果を変形して
(1)の結果に代入して
これでとの関係がわかりました。になると、糸がたるんでしまうのでしたね。
(4)であってもとなるようなの条件を求めよ。
不等式をのもとで解きます。ですから(3)の結果に代入して
このようなであれば、糸がたるまないことになります。以上(1)〜(4)までの結果と前投稿(有名題2)の結果より、「棒ではなく糸の場合のが1回転する条件」は
とわかりました。したがって求める条件はとなります。棒のときよりも、が速くないといけない、より厳しい条件が課せられていることになります。
この話題は以上です。いかがだったでしょうか?直感と少し違う感じもしたのではないでしょうか!?
ではまた。